絵を描いてみたいと思ったとき、まず迷うのが「どの絵の具を選べばいいのか」ということではないでしょうか。
特に「水彩」と「アクリル」は見た目が似ていて、どちらを選ぶか戸惑ってしまうこともあります。
私も初めて絵の具を手にしたとき、何がどう違うのか全然分からず、道具選びに何度も失敗したことがあります。
この記事では、水彩絵の具とアクリル絵の具の違いをわかりやすく、ていねいに解説します。
成分の違いや使い心地、仕上がりの特徴、さらにはそれぞれの絵の具が向いている人のタイプまで幅広くご紹介していきます。
初心者でも安心して読めるよう、難しい言葉は使わず、まるで友達と話しているような気持ちで書いています。
読み終えるころには、自分にぴったりの絵の具が見つかっているはずです。
楽しく、気軽に、自分らしい表現を始める一歩になりますように。
水彩絵の具とアクリル絵の具の違いを知る前に
水彩絵の具とアクリル絵の具は、どちらも色を塗るための画材として広く知られていますが、実はまったく別物といっていいほどの特徴を持っています。
それぞれに向いている描き方や表現方法があり、選ぶ絵の具によって作品の雰囲気も大きく変わってきます。
まずは「水彩とアクリルってそもそも何が違うの?」と疑問を持ったあなたのために、基本的な種類や特徴についてお話ししていきます。
絵の具の種類を大まかに理解しよう
世の中にはさまざまな種類の絵の具があります。
代表的なものとしては、水彩絵の具、アクリル絵の具、油絵の具、ガッシュ、ポスターカラーなどがあります。
この中でも水彩絵の具とアクリル絵の具は、発色の良さや扱いやすさから、学校の授業から趣味のイラストまで幅広く使われています。
ただし、それぞれがまったく異なる性質を持っているため、使う人の目的やスタイルに応じて選ぶ必要があります。
どちらも水で溶かして使えるという点では似ていますが、乾燥後の性質や発色、にじみ方、重ね塗りの可否など、多くの点で違いがあります。
それを理解することが、絵の具選びにおいてとても大切なポイントになります。
それぞれの絵の具はどんな作品に使われるのか
水彩絵の具は、その透明感を活かした柔らかい表現が魅力です。
風景画や花の絵など、自然の繊細な色合いを表現するのにぴったりです。
また、にじみやぼかしを生かした幻想的な表現も得意です。
一方でアクリル絵の具は、発色が強く、しっかりとした色面が作れるため、ポスターや抽象画などインパクトのある作品に向いています。
短時間でしっかりと乾くため、重ね塗りや修正がしやすく、イラストや現代的な表現にも多く使われています。
このように、目的や表現したい雰囲気によって、どちらの絵の具が合っているかが大きく変わってきます。
「違いを知りたい」人が多い理由とは
最近では、趣味で絵を始めたいという人が増えてきています。
SNSや動画で描き方を学べる時代になり、手軽に画材を買って自分のペースで始められるようになりました。
そんな中、「水彩とアクリル、どちらを買えばいいのか分からない」と迷う人がとても多いのです。
私も最初は同じように悩みました。
画材屋さんで立ち止まり、パッケージを見比べながら、違いがよく分からなくて何度も商品棚を行ったり来たりしました。
この疑問を解消することは、楽しく絵を描くための第一歩になります。
だからこそ、この記事ではそれぞれの絵の具の特徴を分かりやすく、丁寧に紹介していきたいと思っています。
水彩絵の具の基本的な特徴と魅力
水彩絵の具は、やさしい色合いや透明感が魅力の画材です。
筆に水を含ませて描くことで、にじみやぼかしが生まれ、柔らかく美しい表現が可能になります。
初めて使ったとき、色が紙の上でふわっと広がる感じに、ちょっと感動したのを今でも覚えています。
ここでは、水彩絵の具の基本的な特徴や種類、メリットとデメリットについて、わかりやすくお伝えしていきます。
水彩絵の具とはどういうものか
水彩絵の具は、水に溶ける性質を持った絵の具です。
顔料と呼ばれる色のもとに、水で溶けるバインダー(接着剤のようなもの)が混ぜられています。
このバインダーが水に溶けることで、筆に含ませた水と一緒に紙に色が広がる仕組みになっています。
塗った直後は少し濃く見えても、乾くと透明感が出て、紙の白さを生かした軽やかな表現が生まれます。
この透明感こそが、水彩絵の具の大きな魅力のひとつです。
透明水彩と不透明水彩(ガッシュ)の違い
水彩絵の具には「透明水彩」と「不透明水彩(ガッシュ)」の2種類があります。
透明水彩はその名のとおり、下に塗った色が透けて見えるほどの透明感が特徴です。
重ねて塗ることで微妙な色の変化や深みを出すことができ、繊細な描写に向いています。
一方、不透明水彩は白色の顔料やバインダーが多く含まれているため、下地の色を隠す力があります。
マットな質感に仕上がり、ポスターやイラストに使われることも多いです。
どちらにも魅力があり、作品の雰囲気や描きたいものによって使い分けるのがポイントになります。
水彩絵の具のメリットとデメリット
水彩絵の具のメリットは、なんといってもその透明感と軽やかな色合いです。
少ない道具でも始められる手軽さもあり、初心者でもすぐに楽しめます。
また、持ち運びがしやすいので、外でスケッチをしたい人にもぴったりです。
ただし、デメリットもあります。
乾くと修正が難しかったり、紙が水分を吸って波打ってしまったりすることもあります。
濃く塗ると紙が透けなくなり、透明感が失われることもあります。
それでも、描くたびに偶然が生まれるのも水彩の面白さです。
思い通りにならないからこそ、絵に味わいが出るのだと感じます。
初心者におすすめの水彩テクニック
水彩は、コツをつかめばぐんと楽しくなります。
たとえば「グラデーション」は、筆に含ませる水の量を変えることで、自然な色の変化が表現できます。
「にじみ」や「ぼかし」は、水を多めに塗った上から色をのせるとふんわり広がり、幻想的な雰囲気が出ます。
「ドライブラシ」という技法では、水分を少なくして描くことで、カサカサとした独特の質感が生まれます。
初めはうまくいかなくても大丈夫です。
私も失敗ばかりでしたが、何度か試すうちに「これ楽しいかも」と思えるようになりました。
ゆっくり、少しずつ慣れていきましょう。
アクリル絵の具の基本的な特徴と魅力
アクリル絵の具は、水で溶けるのに乾くと耐水性になり、しっかりと色が定着するという不思議な特徴を持った画材です。
学校の図工で初めて触れた方や、最近になって大人の趣味としてアートを始めた方の中にも、「アクリルって扱いやすいかも」と感じたことがあるかもしれません。
ここでは、そんなアクリル絵の具の基本的な性質と、初心者にもわかりやすい魅力を紹介します。
アクリル絵の具とはどういうものか
アクリル絵の具は、水で溶くことができる絵の具ですが、一度乾くと水では溶けなくなります。
この性質は、アクリル樹脂という特殊なバインダーが使われているためです。
乾くと強い被膜を作り、色がしっかりと定着します。
そのため、重ね塗りや修正にも強く、絵を何度も描き直しながら完成させたいという方にはとても向いています。
また、乾燥時間が短いため、サクサクと制作を進めたいときにもぴったりです。
初心者にも扱いやすい点が多く、独学でも楽しめるのがアクリル絵の具の魅力です。
アクリルガッシュとの違いもチェック
アクリル絵の具と似た名前のものに「アクリルガッシュ」があります。
このふたつは似ているようで性質が異なります。
アクリル絵の具は、乾くとツヤがあり、色に深みが出ます。
一方、アクリルガッシュはマットな仕上がりになり、ツヤがほとんど出ません。
また、アクリルガッシュは発色が鮮やかで、デザイン画やイラスト制作に使われることが多いです。
重ね塗りや描き直しのしやすさという点では、アクリル絵の具と共通していますが、仕上がりの雰囲気が違うので、目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
私は最初、違いがわからず両方を買ってしまったことがありますが、試してみるとその違いにすぐ気づきました。
使ってみることで学べることって多いですね。
アクリル絵の具のメリットとデメリット
アクリル絵の具のメリットはたくさんあります。
まず、乾きがとても早く、待ち時間が少なくて済むのは大きな魅力です。
また、乾燥後は耐水性があるため、上から何度でも色を重ねることができ、失敗しても上塗りすればリセットできます。
発色が鮮やかで、ポスターのようなはっきりした絵にもぴったりです。
一方、デメリットとしては、乾くと筆が固まってしまうので、使い終わったらすぐに洗う必要があります。
さらに、絵の具が乾いてしまうと修正が難しくなり、途中でのにじみ表現がしづらいという面もあります。
でも、コツをつかめば自由度の高い表現が可能になるので、じっくり取り組めば魅力をどんどん感じられるようになりますよ。
初心者におすすめのアクリル技法
アクリル絵の具にも、楽しい技法がたくさんあります。
たとえば「ドライブラシ」は、水をあまり使わずに筆をカサカサと動かして描く技法で、テクスチャー感が出て面白い効果が生まれます。
また、「グレージング」という方法では、透明に近い絵の具を何度も重ねて深みを出すことができます。
さらに「スパッタリング」といって、歯ブラシなどを使って絵の具を飛ばすことで、星空や砂のような表現もできます。
私も最初は本を見ながら真似するところから始めましたが、どの技法にもワクワクする楽しさがありました。
まずは一つの技法に挑戦してみて、少しずつ自分の表現を広げていくのがオススメです。
成分から見る違い:水彩とアクリルの科学
水彩絵の具とアクリル絵の具は、見た目だけでは似ているように感じますが、その中身はまったく異なります。
ここでは、それぞれの絵の具がどういった成分からできているのか、そしてその違いが使い心地や仕上がりにどう影響するのかを、やさしく解説していきます。
絵を描く楽しさを深めるために、ちょっとだけ化学の話にも耳を傾けてみましょう。
顔料は共通でもバインダーが違う
水彩絵の具もアクリル絵の具も、基本となる「色のもと」は同じで、顔料と呼ばれる粉状の素材です。
この顔料を何でまとめているかが、両者の大きな違いになります。
水彩絵の具では、水に溶けるバインダー(たとえばアラビアゴムやデキストリンなど)が使われています。
これにより、水を加えると顔料が再び溶けて、紙の上で自然に広がってくれます。
一方、アクリル絵の具は、水で溶けるアクリル樹脂をバインダーとして使用しています。
乾くとその樹脂が固まり、強い膜を作って顔料をしっかりと定着させます。
この違いが、「乾いた後に水で溶かせるかどうか」という性質の違いにつながっているのです。
水とアクリル樹脂、それぞれの役割とは
水彩絵の具において、水はとても重要な役割を果たしています。
筆に含ませる水の量によって、色の濃さやにじみの広がりが変わり、やさしくて繊細な表現が生まれます。
水の使い方ひとつで印象が大きく変わるのが、水彩ならではの楽しさです。
一方、アクリル絵の具では、水は最初だけ必要です。
絵の具を溶いたり薄めたりするために使いますが、乾くとアクリル樹脂が固まり、強い皮膜が形成されます。
そのため、乾いた後に水を加えても絵の具は動きません。
この点が、アクリル絵の具が「修正に強い」といわれる理由のひとつです。
また、しっかりとした膜を作ることで、下地が透けず、鮮やかな色を保ちやすくなるという利点もあります。
乾燥後の性質と耐久性の違い
水彩絵の具は、乾いても水で再び濡らせば色が動くため、修正やぼかしに便利です。
ただし、作品が完成した後でも水に弱いため、保存には注意が必要です。
特に、湿度の高い場所や直射日光の当たる場所では、色あせやにじみが起きることもあります。
一方、アクリル絵の具は乾燥すると耐水性が出るため、雨や湿気にも強く、屋外展示や長期保存にも適しています。
実際、私はアクリルで描いた作品を何年も部屋に飾っていますが、色あせや劣化はほとんど見られません。
このように、成分の違いが作品の寿命や保存方法にも大きく影響してくるのです。
見た目の違い:発色・透明感・質感を比較
絵の具を選ぶとき、見た目の印象はとても大切です。
同じ色でも、水彩とアクリルでは、透明感や光の反射、質感が大きく変わります。
ここでは、実際に描いたときにどんな見え方になるのか、発色や透明感の違いについてやさしく比較していきます。
絵の具選びに迷ったとき、このセクションがきっと参考になるはずです。
透明感を活かす水彩、重ねて濃くできるアクリル
水彩絵の具は、紙の白さを活かした透明感のある色づかいが魅力です。
色を重ねることで深みを出しながらも、下の色がほんのりと透けて見えるため、やさしく柔らかな印象になります。
光が紙に反射して、ふんわりとした仕上がりになるのも特徴のひとつです。
一方、アクリル絵の具は重ね塗りをしても下の色が透けにくく、色をはっきりと出すことができます。
しっかりとした色の面を作りたいときや、パキッとしたラインを表現したいときに向いています。
水彩が「淡く透ける美しさ」なら、アクリルは「くっきりと力強い発色」が得意です。
乾いた後の色の変化に注意しよう
水彩絵の具は、塗ったときと乾いたときで色の印象が変わることがあります。
濡れている間は色が濃く見えますが、乾くと少し薄く、明るくなります。
この変化を見越して描くには、何度か経験を重ねて感覚をつかむ必要があります。
私も最初は「あれ、もっと濃い色を塗ったつもりなのに」と驚いたことがよくありました。
一方、アクリル絵の具も乾燥すると色がやや変化しますが、基本的にはそのままの発色が保たれます。
ただし、塗り方や素材によっては少しだけマットな質感に見えることもあります。
このように、乾燥後の仕上がりも絵の具選びにおいて大切なポイントです。
作品の雰囲気がガラリと変わるポイント
水彩とアクリルでは、使う絵の具によって作品全体の雰囲気が大きく変わります。
水彩は、柔らかくナチュラルな印象を与えるため、風景や自然、静かなモチーフに向いています。
とくに透明水彩は光の表現が得意で、空や水辺の描写にぴったりです。
アクリルは、くっきりとした色合いやしっかりとした形を出すのが得意です。
デザイン性の高い作品や、抽象的でインパクトのある絵にも向いています。
描きたいものや表現したい雰囲気に合わせて、絵の具を選ぶと納得のいく作品に仕上がります。
ちょっとした違いに見えても、実はとても大きな影響があるのですね。
使い勝手の違い:乾燥速度・修正のしやすさ
絵を描いているとき、乾きやすさや修正のしやすさって意外と大事ですよね。
どちらの絵の具も魅力的ですが、作業のしやすさや自由度は、選ぶ上でとても大きなポイントになります。
このセクションでは、水彩絵の具とアクリル絵の具の「使い勝手」に注目して、乾燥速度や修正のしやすさについて比較していきます。
水彩は乾くのが早い?それともアクリル?
水彩絵の具は、塗った量や紙の種類によって乾き方が少し変わります。
水をたっぷり使うと乾くのに少し時間がかかりますが、全体的には比較的早く乾きます。
ただし、部分的に乾いている状態で筆を入れると、にじんだり、思わぬ混色が起こったりすることもあります。
その偶然が面白さにつながる反面、意図しない効果が出てしまうこともあります。
アクリル絵の具は、さらに乾燥が早いことで知られています。
塗って数分で表面が乾き始め、完全に乾くと耐水性になります。
そのため、思い立ったときにどんどん描き進めたい人には、とても相性が良いです。
ただし、乾くのが早すぎてグラデーションやぼかしが難しく感じることもあります。
作業スピードや表現したいタッチによって、どちらを選ぶかが変わってきますね。
修正できるのはどっち?
「ちょっと間違えたかも」と思ったとき、絵の具の修正のしやすさが気になることってありますよね。
水彩絵の具は、乾いたあとでも水を含ませた筆やティッシュなどで、ある程度の修正ができます。
とはいえ、一度濃く塗ってしまった色は完全には消せないことも多く、紙が傷んでしまう場合もあります。
やさしく修正するテクニックを身につけるには、少し練習が必要かもしれません。
アクリル絵の具は、乾いたあとに上から塗り重ねることで、間違えた部分を隠すことができます。
完全に乾いてから次の色を塗れば、下の色が溶け出すことはありません。
修正の自由度という点では、アクリルのほうが安心して使えるかもしれませんね。
初心者が扱いやすいのはどちらか
初心者にとって使いやすい絵の具は、「間違えてもリカバリーしやすい」「描いていて楽しい」と感じられるものです。
水彩は、にじみやぼかしといった偶然の美しさを楽しめますが、細かくコントロールしようとすると少し難しく感じるかもしれません。
一方、アクリルは修正がしやすく、色をしっかり塗れる安心感があります。
ただし、乾きが早すぎて焦ってしまうこともあるので、慣れるまでは落ち着いてゆっくり進めることが大切です。
どちらの絵の具も、それぞれに「楽しい」と感じられるポイントがあります。
最初は小さなスケッチや色の練習から始めて、自分に合った使い方を見つけていくと、どんどん絵を描くのが好きになりますよ。
画材の相性:紙やキャンバスとの関係
絵を描くとき、絵の具と同じくらい大切なのが、どんな紙や素材に描くかということです。
画材には相性があります。
自分の使う絵の具に合った紙を選ぶだけで、仕上がりがぐっと美しくなったり、描きやすくなったりします。
ここでは、水彩絵の具とアクリル絵の具がどんな紙に向いているのかを、わかりやすくご紹介していきます。
水彩紙とアクリル用紙の違いとは
水彩絵の具を使う場合には、専用の水彩紙を使うのが基本です。
この紙は、水をたっぷり使っても波打ちにくく、絵の具が染み込みすぎないように表面が加工されています。
紙の厚さや表面の質感によって、にじみやぼかしの出方が変わるので、いくつか試してみるのも楽しいですよ。
一方、アクリル絵の具は粘度が高く、水をあまり使わずに描けるため、厚めの画用紙やアクリル用の専用紙が向いています。
アクリル専用紙は、絵の具の吸収や定着を助けるコーティングが施されているため、発色が良くなり、にじみやムラも抑えられます。
間違って普通のコピー用紙に描いてしまうと、紙が波打ったり、絵の具が裏に染みたりしてしまうので注意が必要です。
キャンバスに描くならどちらが最適か
アクリル絵の具は、布や板など、さまざまな素材にも描くことができるのが特徴です。
布目のある画材にもよく定着し、厚塗りにも耐えてくれるので、立体感のある表現も可能になります。
専用の下地剤(ジェッソ)を塗った画材を使えば、絵の具の発色や耐久性もより高まります。
ただし、水彩絵の具は、基本的には紙に描くためのものです。
にじみやぼかしなど、水を使った表現が前提になるため、布や板のような素材では思うような効果が出ないことがあります。
そのため、素材の選び方には注意が必要です。
私自身、以前に少し厚手の紙で水彩を試したとき、色が染み込みすぎてしまい、発色が鈍くなってしまった経験があります。
画材に合った紙を使うことの大切さを実感しました。
画面の凹凸やにじみの効果について
紙の質感は、描き心地だけでなく、作品の仕上がりにも大きな影響を与えます。
たとえば、水彩紙には「細目」「中目」「荒目」といった種類があり、それぞれ表面の凹凸の大きさが違います。
細目は滑らかな描き心地で、細かい線や繊細な表現に向いています。
中目や荒目は凹凸が大きく、筆跡やにじみの出方に変化があり、雰囲気のある仕上がりになります。
アクリル絵の具の場合、凹凸のある素材に描くと、筆の跡がくっきりと出て面白い効果が生まれます。
絵の具を厚く塗ったり、道具を使って盛り上げたりすることもできるので、より立体的な表現が楽しめます。
どちらの絵の具でも、紙や素材の表情を生かすことで、作品に深みが加わりますよ。
目的別に選ぶ:あなたに合うのはどっち?
水彩絵の具とアクリル絵の具、それぞれに魅力があるからこそ「自分にはどっちが合ってるのかな」と迷ってしまいますよね。
ここでは、目的や描きたいイメージ別に、どちらの絵の具が向いているかを考えていきます。
まるで友達と話しているような感覚で、自分にぴったりの画材を見つけるヒントになればうれしいです。
イラストや漫画に使いたい人へ
イラストや漫画の彩色には、発色の良さや細かい描写のしやすさが求められます。
その点でおすすめなのは、アクリル絵の具です。
しっかりとした色が出せて、上から塗り重ねても色が混ざりにくいので、思いどおりの配色が実現しやすくなります。
アクリルガッシュを使えば、マットで均一な仕上がりが得られ、デジタル風の塗りにも近づけることができます。
もちろん、水彩で柔らかく仕上げるイラストも素敵です。
にじみやぼかしを活かした表現ができるので、やさしい雰囲気の作品を描きたい方には水彩もおすすめです。
風景画や静物画に向いているのは
風景画や静物画では、光や空気の表現が重要になってきます。
その点で、水彩絵の具の透明感はとても魅力的です。
空や海のグラデーション、木々の隙間から差し込む光などを、やさしく描き出すことができます。
紙の白さを活かした明るい表現は、水彩ならではの味わいです。
一方、アクリル絵の具でも風景画は描けます。
しっかりとした色味で、くっきりとした構図をつくりたいときにはアクリルが活躍します。
筆跡を残すことで、木のゴツゴツした質感や岩の重厚さを強調することもできます。
描きたいスタイルや雰囲気によって、どちらを選ぶかが変わってきますね。
早く仕上げたいときの選び方
「時間が限られている」「短時間で仕上げたい」というときには、乾燥が早い絵の具が便利です。
その点では、アクリル絵の具がとても向いています。
塗ったあとすぐに乾くので、次の作業にどんどん進むことができ、時間を効率的に使えます。
イベントやプレゼント用の作品など、期限があるときにも安心です。
水彩絵の具も比較的乾きは早いですが、水分量によっては少し時間がかかることもあります。
ただ、乾く間の待ち時間も含めて、ゆったりとした気持ちで描きたいときには水彩の方が心地よいこともあります。
「時間をかけてじっくり描きたいのか」「サクサクとテンポよく進めたいのか」そんな気分に合わせて選ぶのもいいかもしれません。
よくある疑問と誤解を解消しよう
水彩絵の具やアクリル絵の具に関して、よくある勘違いや誤解って実はけっこう多いんです。
「なんとなくこんなものかな」と思って使ってみたら、うまくいかなくてがっかりした経験、ありませんか?
ここでは、よく聞かれる疑問や思い込みについて、ひとつずつわかりやすく解説していきます。
正しい知識があれば、もっと楽しく絵が描けるようになりますよ。
アクリルも水で溶けるって本当?
はい、本当です。
アクリル絵の具は、水で溶かして使うことができます。
でも、これは「乾く前」の話です。
チューブから出したばかりのアクリル絵の具は水性なので、水で薄めたり、筆に水を含ませて描くことができます。
ところが、乾いてしまうとアクリル樹脂が固まり、水には溶けなくなります。
この性質があるからこそ、重ね塗りや修正がしやすく、しっかりとした仕上がりになるのです。
「水で溶けるから水彩と同じだよね」と思ってしまいがちですが、乾燥後の性質がまったく違うという点がとても大きなポイントです。
水彩は重ね塗りに不向きなの?
よく「水彩は一度塗ったら修正できない」「重ね塗りできない」と聞くことがありますが、それはちょっとした誤解です。
確かに、水彩は透明感を大切にする画材なので、何度も重ねすぎると色が濁ってしまったり、紙が傷んでしまったりすることがあります。
でも、丁寧に薄く重ねていけば、色の深みやグラデーションを表現することができるんです。
私も最初のころは、色がどんどん濁ってしまって失敗ばかりしていましたが、水の量や筆の使い方に慣れてくると、重ね塗りも楽しめるようになりました。
ちょっとしたコツで、仕上がりがぐっと美しくなりますよ。
失敗したときに修正しやすいのは?
「うまくいかなかったらどうしよう」と心配になるのは、誰でも同じです。
そんなとき、修正のしやすさが気になる方には、アクリル絵の具が安心かもしれません。
乾いたあとに上から塗れば、失敗した部分をきれいに覆い隠すことができます。
思い切って何度でも描き直せるのは、大きな安心感につながります。
水彩は、乾いてからも少しだけ修正できることがあります。
水を含ませてぼかしたり、ティッシュで優しく押さえたりして、薄くすることは可能です。
ただし、紙の状態や色の濃さによっては、完全に元に戻すことは難しい場合もあります。
どちらが良いかは、自分の描き方やスタイルによって変わってきます。
まずは気軽に試してみて、自分に合う方法を探していくのが一番です。
初心者でも安心:絵の具選びのポイント
初めて絵を描こうと思ったとき、いちばん迷うのが「どの絵の具を選べばいいの?」ということではないでしょうか。
たくさんの種類やブランドが並ぶ中で、どれが自分に合っているのか、最初はわからないことだらけですよね。
ここでは、初心者の方でも安心してスタートできるよう、絵の具選びの基本的なポイントをやさしくご紹介していきます。
初心者がまず揃えるべき画材とは
最初に揃えるべき画材は、実はそんなに多くありません。
必要なのは、絵の具、筆、水入れ、パレット、紙、そして汚れてもいい下敷きです。
水彩絵の具を使う場合は、水彩紙を選ぶことが大切です。
アクリル絵の具を使う場合は、厚めの紙やアクリル専用の紙がおすすめです。
筆は、細いものと広い面を塗れる平筆の両方があると便利です。
絵の具は、最初は基本色だけでも十分楽しめます。
赤・青・黄の三原色と、白と黒があれば、さまざまな色が作れますよ。
無理に高価なものを揃えなくても、始めてみることがいちばん大切です。
買うときに注意すべきポイント
画材を選ぶときに注意したいのは、「描きたい絵のイメージに合った絵の具を選ぶこと」です。
たとえば、やわらかくて透明感のある表現がしたいなら水彩絵の具。
はっきりした色や厚塗りがしたいならアクリル絵の具、というように目的を決めておくと選びやすくなります。
もうひとつ大切なのは、絵の具の「シリーズ」や「グレード」に気をつけることです。
同じブランドでも、学生向けとプロ向けで発色や価格が大きく違うことがあります。
最初は学生向けのセットでも十分ですが、できれば信頼できるメーカーの製品を選ぶと、色の伸びや混色のしやすさがぐっと違います。
私も最初は値段だけを見て選んでしまったことがありましたが、ちょっといい絵の具に変えたとたん、塗るのがすごく楽しくなりました。
絵の具の質って、意外と描くモチベーションにも関わってくるんですね。
それぞれの絵の具に合った道具選び
道具選びも、絵の具との相性がとても大切です。
水彩絵の具を使うときには、柔らかめの筆が向いています。
水をたっぷり含んで、なめらかに色がのるものがいいですね。
パレットも、深さのある仕切りがついているものだと、水と絵の具を混ぜやすくなります。
アクリル絵の具の場合は、少し硬めの筆の方がしっかりと塗れて扱いやすいです。
また、乾燥が早いため、使い捨てタイプのパレットや、乾きにくいウェットパレットを使うのも便利です。
それぞれの絵の具に合った道具を揃えることで、描きやすさも作品の仕上がりもぐんと良くなります。
「描いてみたい」という気持ちを大切に、道具選びも楽しんでくださいね。
まとめ
水彩絵の具とアクリル絵の具は、それぞれに異なる特徴や魅力があり、使い方や目的によって最適な選択が変わってきます。
透明感を活かしてやさしい雰囲気を出したいときには水彩絵の具がぴったりですし、しっかりとした発色や重ね塗りを楽しみたいときにはアクリル絵の具が向いています。
それぞれの違いを知ることで、自分に合った画材を選べるようになり、絵を描く楽しさがぐっと広がります。
迷ったときは、まずは気軽に試してみることをおすすめします。
道具に触れ、自分の手で色を重ねていくうちに、自然と「私はこっちが好きかも」と感じられるようになりますよ。
少しでもあなたの絵の具選びの参考になれたなら、とても嬉しいです。

